みなさんは牛乳を飲んでから、腹痛や下痢が起こったことはありませんか?
実は牛乳による腹痛や下痢が起こる原因は様々です!
ここでは、牛乳によって起こる腹痛や下痢がどのくらいの時間で起こるのか?を解説していきます!
またそれぞれの原因と対策についてもご紹介しますので、ぜひご覧下さい!!
目次
牛乳を飲んでから腹痛や下痢が起こる時間はどのくらい?
牛乳を飲んで腹痛や下痢が生じるのは、どのくらい時間が経ってからでしょうか?
それは原因によって異なります!
ではそれぞれ見ていきましょう!!
原因 | 症状が出るまでの時間 |
---|---|
乳糖不耐症 | 約30分~2時間後 |
牛乳アレルギー | 即時型:数分以内 遅発型;6~8時間後 遅延型:24~48時間後 |
食中毒(黄色ブドウ球菌) (サルモネラ菌) |
1~5時間後(平均3時間) 6~72時間後(平均12時間) |
出典元:食品安全委員会事務局 資料
原因については、この後それぞれご紹介していきます。
なお、これはあくまでも目安となる一般的な時間です。
発症までの時間は牛乳を飲む量や、個人差も大きいため、必ずこの通りとは一概には言えませんのでご注意を!
牛乳を飲んで腹痛や下痢が起こる原因はなに?それぞれ解説!
牛乳を飲んでから、腹痛や下痢が起こる原因はひとつではありません!
原因によって、それぞれ違いがあります。
その原因をひとつずつ見ていきましょう!
乳糖不耐症ってなに?
乳糖不耐症とは、一体なんでしょうか?
このような名前で言われるといかにも病気!な感じですが、ほとんどの健康な成人は正常な状態でも乳糖不耐症です。
乳糖とは、牛乳や乳製品に含まれている糖です。
小腸で分泌されるラクターゼという酵素によって分解されます。
牛乳はラクターゼで分解されて初めて、身体に吸収することができるのです!
実は、このラクターゼは乳児の頃は母乳や牛乳の消化のために多く存在しています。
しかし、離乳後は身体に必要ないため、どんどん減少していくのです!
だから、大量の乳糖を摂取すると、大人になるにつれて分解できなくなります!
その結果、分解されずに高濃度になった乳糖が小腸で水を引き寄せて、下痢を起こします!
さらに大腸では、細菌によって発酵されてガスが発生するため、腸が張ったり、けいれんを起こして腹痛が生じるのです!
牛乳アレルギーってどういうもの?
みなさんは牛乳にもアレルギーがあることをご存じですか?
これは食物アレルギーの一つです。
自分の身体の免疫反応が過剰に働き、身体が過敏に反応するようになった状態です。
牛乳に含まれる「カゼイン」というタンパク質が原因のことが多いです!
加熱してもタンパク質の構造はほとんど変らず、アレルギーの起きやすさは変わりませんので、注意してください!!
また、少量でも発症することがあるため、飲んだのが少しだから大丈夫とはいきません!
牛乳を摂取した後にアレルギー反応が起こり、腹痛や下痢、蕁麻疹が起こります。
ひどい場合は、呼吸困難やアナフィラキシー反応という生命を脅かす危険な状態になることもあるため、注意が必要です!!
アレルギーは発症の仕方が即時型、遅発型、遅延型と複数あるため、発症までの時間で判断はできません!牛乳を摂取した後に、かゆみが出る、蕁麻疹が出る、呼吸が苦しいなどあればすぐに医療機関を受診して下さい!!
血液検査で牛乳にアレルギーがあるかどうか調べることもできます。気になる場合は、医療機関にご相談下さい。
食中毒の可能性は?
実は牛乳でも食中毒になる可能性はあるんです!
代表的な菌としては、黄色ブドウ球菌です。人の身の回りに常在している菌のひとつです。
食品の中で菌が増殖すると、エンテロトキシンという毒素を産生してしまいます。
症状としては、腹痛や下痢に加えて、吐き気、嘔吐などを生じます。
他にもサルモネラ菌での報告もあります!
激しい腹痛に下痢、発熱や嘔吐も認めます。長期にわたり保菌者になることもあるます。
38度以上の発熱や、1日10回以上の水様性の下痢、血便を伴う重症な時はサルモネラ菌を疑います!
冷たい飲み物による胃腸の冷えも考える
案外見落とされる事が多いのが、冷たい牛乳による胃腸の冷えによるものです!
これは、みなさん経験があるかもしれませんね。
冷たいものが腸に入ると、大腸の蠕動運動が盛んになるため、腸の内容物の水分が十分に吸収されずに下痢になることが多いようです。
普段から下痢だけを繰り返す、便秘と下痢のどちらもよく起こる場合は、冷たい飲み物によるものではないかもしれません!
もしかしたら、過敏性腸症候群かも!?
そのような方は一度、消化器内科で調べて見ることをおすすめします!

牛乳による腹痛や下痢の予防策や対処法を説明!
ここでは、それぞれの原因で腹痛や下痢が起こった際の対処法、またそれを予防する方法をご説明していきます!
原因ごとに見ていきましょう!
乳糖不耐症の予防策
乳糖不耐症は、摂取する乳糖の量やラクターゼという酵素の量が関係します。
● 1回に牛乳を摂取する量を減らす、数回に分けて飲む
成人では、250~375ml以上の牛乳を飲んだ時だけ症状が現れることが一般的です。
1回に飲む量をそれ以下にしていけば、症状が出る可能性は減ります。
● 毎日飲む習慣をつける
乳糖は毎日摂取することで腸内細菌叢に影響を与え、乳糖を分解する腸内細菌が増加して、腸内環境が改善されることが期待されます。
● 牛乳ではなく、ヨーグルトやチーズを摂取する
ヨーグルトは乳酸桿菌が産生するラクターゼが天然に含まれており、牛乳では症状が出ない人も多いです。 また、乳酸菌による発酵で乳糖の20~40%が分解されているため、原因の乳糖が減少しています。
チーズは製造過程で乳糖のほとんどが乳清に移行しているため、含まれる量が少ないので症状が出にくいです。
牛乳アレルギーの予防は必須!
牛乳アレルギーは、もう牛乳をできるだけ避けることに限ります!
特に乳児に牛乳アレルギーがある場合は、注意が必要です!
粉ミルクは牛乳由来のものがほとんどなので、母乳や調製粉乳の代わりになる牛乳アレルギー用ミルクが便利です。
もし、牛乳を飲んでから蕁麻疹や呼吸苦などが出現した場合は、すぐに医療機関を受診して下さい!

食中毒では病院の受診も考慮する
食中毒を予防することは牛乳だけに限らず大事なことです!
● 普段から手洗いを心掛ける。食品を扱う際はさらに注意!
普段から手洗いをして、手に付いた菌を落す癖をつけておくことは重要です!
食品を扱う際は、さらに注意が必要ですね。
● 低温保存する!
牛乳を開封した後に常温で保存してはいけません。
もし、菌が混入していたら繁殖しやすくなってしまいます!
特に暖かい時期は、思っているより早く菌が増殖するので注意して下さい。
● 牛乳のパックや入れ物に直接口をつけて飲まない。
口から入れ物に直接菌が入り、入れ物の中で菌がさらに繁殖する可能性があるためです。
特に他の人と共用している場合は、状況が分からないのでご注意を。
食中毒が疑わしい場合の対処法は、
安静の上で、発熱と下痢による脱水に対して補液をしたり、 腹痛などの症状の緩和が基本です。
一般的には抗菌薬は使用しません!
むしろ使用することにより腸内細菌叢が乱れて、除菌が遅れる可能性があります。
また、下痢を止める止瀉薬の使用しません!
除菌を遅らせたり、腸管の動きを悪くして麻痺性イレウスを引き起こす危険があるためです。
冷たい飲み物による胃腸の冷えは予防が大事!
● 冷たいものを避ける。
冷たい飲み物で症状が出る人はどんな飲み物でも一緒です。冷たくないものを選ぶ方が良いですね。
● 牛乳を温めて飲む
牛乳は温めて飲むことで、ラクターゼの活性も上がりやすいのでおすすめです。
普段から下痢になりやすかったり、下痢と便秘を繰り返す際は、過敏性腸症候群という病気の可能性もあります。 思い当たる節がある場合は、一度消化器内科で調べてみることをおすすめします!
まとめ
今回は、牛乳を飲んで腹痛や下痢が起こるまで時間はどのくらいか?
また、その原因と対処法をご説明しました!
いかがだったでしょうか?
みなさんに少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、失礼いたします。